旧交② 「手談会」

 20年くらい前にいた部署のOB仲間が続けている囲碁サークルに、引退を機に入れてもらいました。隔月の特定週の金曜日に新宿の囲碁サロンを会場として開かれており、先週、初めて出席しました。
  まず感心したのが、その碁会所の広さときれいさ。50盤くらい置かれており、中高年男性に混じって女性客も多く、外国人もいました。これまで私の地元の碁会所や旅先の地方の碁会所を利用したことがありますが、ここは都会の碁会所らしい洒落た雰囲気です。
  11人の会員でこの日集まったのは新参の私を入れて7人。私が出た後にその部署に来た人もいますので、初対面の人も数人です。まずは私に参加の呼びかけをしてくれたMさんと対局しましたが、彼は確か現役時代は私に何子か置いていたのに、この日は互先で打って1勝1敗。すっかり強くなっていました。

  有段者から級位者まで、それぞれの方と時間を忘れて打っていたら、13時から始めてあっという間に17時を過ぎていました。でも、21時過ぎまで営業しているのでもう少しは打つのだろと考えていたところ、仲間の皆さんは急にそわそわし始め、「ではそろそろ次のところに行きますか」とのこと。つまり、飲み会に移るのでした。
  碁会所から数分のとあるビルの地下の居酒屋が定席らしく、まずはビールで乾杯から始まって、すぐに銘酒の飲み比べに移行。速いペースに驚いていたら、この店は18時半までにオーダーしたら5つの銘柄の銘酒が半額となるタイムサービスがあるのでした。
  今度はこれ、次はこれ、と5銘柄すべてを目指す人も多く、私も嫌いな方ではないので付き合って飲み且つ食べましたが、囲碁の話や職場時代の思い出、時局の話などで大いに盛り上がり、とても楽しいひとときでした。
  昼間に幹事の方にもらった会報に、この会の名称を「手談会」と書いてありました。手談とは囲碁の別称で、「言葉を交わさなくとも碁を一局打てば心が通じ合う」というような意味です。飲みながら隣に座った会長さんに「とても良い会名ですね」と言ったら、「酒談会とも言います」とのこと。「手談と酒談、どちらにも使えるように最近は『しゅ談会』とひらがなにしています。『酒断』でもよいのですが・・・」という話には大笑いしました。
  楽しい会に入れてもらいました。