タブレット グッドとバッド

  先月末にタブレット(iPadミニ)を導入して以来、毎日開いては楽しんでいます。若い人が道路や駅構内をスマホを見ながら歩いているようなことはさすがにしませんが、家の中をあちこち持ち歩いて妻にあきれられたり、電車に乗っている間中も見つめっぱなしです。現時点で実感している、タブレットの「グッド」と「バッド」を、以下にまとめてみました。
  まずグッドな点。
①1台で読む、見る、聴くのすべてが、どこにいてもできること。
  机に向かって本を読む、ソファに座って新聞を読む、テレビやビデオを見る、食事をしながらラジオや音楽を聴くなどは、それぞれの場所でそれぞれの機器等を使いながらできます。しかし、タブレットの場合は、それ1台でそれらのすべてが、いつでもどこにいても(ガラケースマホ以上に快適・実用的に)できるところが特徴といえます。それこそ、寝転がっていようが、座っていようが、家の中でも電車の中でも、テレビやラジオやプレーヤーが置いてないところでもできますし、タブレットの画面は明るいので、夜の暗闇でもOKです。 
  私がこのタブレットでの読む、見る、聴くで大いに楽しんでいるのは、まず、通勤電車の中での日経新聞の熟読です。記事の保存などで紙時代の切り抜きもしなくて済むようになり、楽になりました。他には、ビューンというアプリによる週刊誌等の閲覧。50誌くらいが読み放題で月額450円はとてもお得です。次いで、3人の孫の誕生以来、現在までの写真をたくさん入れて、自分で選んだ音楽をバックに写真の出し方にも毎回変化を付けられるスライドショー。現時点で550枚のセレクトした写真を入れて、何回も楽しんでいます。3番目は、過去にユーチューブやCDからパソコン上に取り込んでいた音楽や、自宅ではラジオ番組の聴取。通勤途上にイヤホンで聴いたり、寝る前に枕元で聴いたりしています。とても高音質で、iPod代わりに使えます。
 ビューンの画面
②インターネットにつながり、活用できること。
  ホームページの検索や閲覧は、画面が大きいし、キーボード操作ができるのでやはりパソコンを使っていますが、タブレット仕様のほうが見やすいものもあります。例えばフェイスブック。私は自分のフェースブックを持たないので妻のを介して他の方のを見せてもらっていますが、タブレット仕様のそれは、友達登録されている方たちの更新された書き込みのみがまずズラズラっと出てくるようになっており、個々に開く手間が省けてグッドです。 
  なお、外出中でもインターネットにつなぐ方法について、毎月3,800円程度の料金でモバイルWi-Fiルータというのを一緒に持ち歩くとどこでも可能というのを知って気持ちが動きましたが、接続エリアがまだ都市部だけで、私が一番必要性を感じている河口湖の小屋ではつながらないということだったので、断念。代わりに、電車の中など移動中はダメ(新幹線のぞみはOK)ですが、都市部のほとんどの駅や店舗やビルなどで利用できるという公衆無線LANサービス(月額380円)に加入しました。しかし、あまり利用の機会はありません。
③その他、いろいろな機能や面白アプリが活用できること。
  時計、目覚まし、電卓、メモ等々、便利な機能はガラケーとほぼ一緒ですが、私がタブレットのほうが便利と思ったのは、カメラです。撮った後すぐに、ハガキサイズよりも大きな画面で確認できるし、そのままスライドショーにして見ることもできます。
  インストールできる無料アプリも豊富で、私が早速入れたのは、QRコードリーダー、辞書、翻訳、プリンタ無線接続キット、料理レシピ、酒のうんちく、鏡、星座表、楽器演奏など。「無料アプリ1,000」なる本も買ったので、さらに少しずつ入れていきたいと思います。

 というわけで、導入して本当に良かったと満足しているタブレットですが、機能上我慢しなければならないことや、機能はあってもコンテンツが少なかったりして物足りなさを感じている点もあります。それらバッドな点とは。
①キーボードが使いづらい。 
  キーボードと言っても、必要なときに画面に出でてくる「ソフトウエアキーボード」ですが、これが全然使いづらいのです。慎重に1字1字、指の腹で押さないと入力できないのですが、不器用な私にはなかなか難しい。パスワードを入れたり、ホームページの検索をする場合など、どうしても使わざるをえない場面が出てくるのですが、枠が小さいために隣のを押してやり直しになったりしてストレスになります。ガラケーの文字ボタンのほうが小さいけれどもハード的にしっかり作られているので、まだ使いものになります。
  というわけで、私はタブレットでは文字を打ち込む作業がメインとなる「メール」機能は一切使わないことにしました。受信メールを見ることは特段問題はありませんが、メールアドレスを分散させるのも不便なので、送受信とも、これまで通り、パソコンメールとガラケーメールだけで行うつもりです。併せて、予定を書き込む「カレンダー」機能や、本来は便利な「メモ」機能も断念。要するに、読む、見る、聴く、撮るに特化し、「書く」機能はあきらめました。
②コンテンツ不足
  上述のように、日経新聞電子版や、ビューンによる複数週刊誌等の閲覧はとても便利なのですが、もう一つ期待していた、単行本や新書などの電子書籍については、ややがっかりしました。これまで通勤電車での時間つぶしには岩波新書中公新書などを読むのがメインでしたが、各出版社とも単行本や新書などを出版するときに同時にそれを電子書籍化して売り出すというようにはまだなっていないらしく、各電子書籍ストアで探してもずっと以前に出版したものの電子版しか見つかりません。しかも、陳列の仕方が分かりづらく、見つけるのも一苦労です。
  電子書籍に関しては、街の本屋で新書や文庫、単行本、雑誌等が出版社別や分野別に整然と分類して並べられていて、手にとって確かめることができるといった感じにはまだまだ至っていません。原則、紙出版される本はすべて電子書籍化される時代が一日も早く到来することを、またそれが、街の本屋並みに手軽に探しやすいシステムにより入手できるようになることを、切に願うばかりです。

※まとめ
  上記、グッドな点の①〜③のことはパソコンやガラケースマホでもできることが多いのですが、タブレットが最高なところは、それらいずれよりもサイズと携帯性の両方で優れている点です。バッドな点の①についてはパソコンが必要であったり、通話や移動中のメールにはガラケーが必要であったりと、私にとってはまだまだパソコンもガラケーも必要ですが、それらとタブレットの3点セットで、今後、私なりの理想のIT生活に近づいていきたいと思っています。
  そのIT生活の中で私が最も実現したいことは、省資源です。特に、雑誌や本などペーパー類を今後、増やさず、今あるものも徹底的に整理していきたいと考えています。写真もプリントするのはできるだけやめたい。写真立てに入れてあちこち飾っていてスペースが無くなり、数年前に電子フォトフレームを買ってきましたが、タブレットではそれ以上のことができて、そのフォトフレームも要らなくなりました。通勤途上に音楽やFM放送を聴きたくて、ずっと以前に国産の携帯プレーヤを買いましたが、これも不要となりました。
  タブレットの中に文字も画像も音声もすべて保存し、さまざまに活用する。オールインワンのマルチ端末にすることで、家の中から紙資源だけでなく、いろんなものを減らしていく。そして、不要なものは捨てる、余計なものを買わない、増やさない一方で、代替がきかない古書や古レコードなどのお宝は当面、大切に保管していきたいとも思っています。これが、デジタル志向のアナログ人間である私の結論です。