七五三

  先日、三歳になったLちゃんの七五三のお祝いに呼ばれて妻と一緒に行ってきました。
  息子一家との集合場所は府中市にある大国魂神社境内。この神社は息子たちが住む市の隣にあり、Lちゃんママの実家の氏神様みたいな所です。我が家の息子と娘の七五三は鎌倉の鶴岡八幡宮にお参りしましたが、この大国魂神社はもっと歴史は古いものの、源頼朝が妻、政子の安産を祈願した故事が伝わっており、鎌倉との関連もありそうです。我々のほうが先に着いて境内一番奥の本殿前で待つこと30分ほど。Lちゃんとママのおめかしや、写真館での記念撮影に時間がかかっているのだろうとのんびり待っていました。その間あちこち見回していると、駅からすぐの神社入り口からまっすぐと続くケヤキ並木(国の天然記念物に指定されている)を通って大鳥居をくぐり、本殿前に晴れ着の女の子や羽織袴やスーツの男の子とその両親、祖父母などが続々とやって来て、とても賑やかで晴れやかです。

  息子から「今着いた」の電話に鳥居のほうを見ていると、晴れ着のLちゃんが、これまた着物姿のママと背広姿の息子と一緒ににこやかに歩いて来ました。Lちゃんの着物は、ママのお母さんが縫ってくださったという本格的なもので、小さな模様がたくさん入ったベージュの振り袖の着物に、赤い被衣です。髪飾りをして小さな草履を履いた姿は本当に可愛い。ママの訪問着は品の良い薄辛子色。プロのピアニストでステージ用の洋装に目を見張ったことはありますが、着物姿もとても素敵です。主役のLちゃんは、お腹に来る風邪でこのところ体調は良くなかったそうですが、全くそうは感じさせない元気ぶり。おじいちゃんとおばあちゃんの出迎えを喜んでくれました。
  息子が社務所で初穂料を納め、神社からいただいた紙袋の中には千歳飴をはじめとするお祝いの品物が入っていて、その中に「これを着けてからお参りください」という肩掛けには、片側に「大国魂神社」、もう片側に「祝 七五三」と書いてあります。これをLちゃんの肩に掛けて、本殿横の入り口に並んで順番を待ち、しばらくして玉砂利を敷き詰めた神殿前に案内されました。10組ほどが子どもを先頭に両親、祖父母の順に並び、神主さんの祝詞等がありました。祝詞では、他の子よりも明瞭にLちゃんの住所や名前が聞き取ることができました。Lちゃんもお榊を供えた後、神主さんの所作に合わせて二拝二拍一礼をなんとかできて、まずは七五三のお参りは厳粛な中に無事に終了。
  終わった後は、神社にいくつか作られた記念写真スペースでLちゃんだけとか、息子一家だけとか、私たちも入ったバージョンとか、たくさん記念写真を撮りました。賑わう参道を抜けながら駅へ。乗り場からタクシーに乗って、お祝いの膳を用意してくださっていたLちゃんのおばあちゃんと大おばあちゃんの待つ家に。この、一緒に乗って行ったタクシーの体験がLちゃんには新鮮だったらしく、後日、保育室でみんなに報告していたそうです。
  七五三は、女の子は三歳と七歳、男の子は五歳の節目に、健やかな成長を祈念して行うものですが、実りの秋のとても良い時期に行う、まことに日本らしい行事で、大切に続けていきたいものです。妻は、Lちゃんからお裾分けに貰った千歳飴を大事に家まで持ち帰って、数日はその余韻に浸っていました。