ジグソーパズル

  クリスマスイブイブの23日、息子夫婦の家のクリスマスパーティに妻とともに呼ばれて行っ
てきました。息子夫婦は、それまでの小さな家を売りに出し、すぐ近くのLちゃんママの実家に11月に引っ越した(それまで住まわれていたお母様と大祖母様は近所のマンションに移られた)のですが、その新居のお披露目も兼ねています。
  Lちゃんママのお母様とお姉さん夫妻も一緒に招かれて、賑やかに美味しいお料理をいただき、シャンペンから日本酒のどぶろくまで、やや飲み過ぎましたが、とても幸せな気持ちでした。とりわけ嬉しかったのは、3歳になるLちゃんの賢い発達ぶり。
  それまでの「ショートケーキ」ハウス(角地に3階建てで建てられた小さな3角形をした家を、私は密かにそう呼んでいました)から一転、やはり3階建てですが大きな四角形ビルの新居に移ってからは初めての訪問でしたので、それまでお母様達が住んでおられた頃とどのように変わったかが大きな関心でしたが、玄関を入るや否や、Lちゃんが一人で案内役を買って出てくれました。
  「ピアノはここに置いてあるよ」と、まずは2階の大きな部屋を見せてくれましたが、20帖ほどある洋間の奥にグランドピアノが置かれ、その手前にはレッスン待ちの生徒用?の控え室もありました。3階のやはり20帖ほどのリビングの奥は、以前はお母様のベッドが置いてあったところが畳の部屋に模様替えされて、Lちゃんの絵本棚やおもちゃ棚がある、Lちゃんの遊び部屋になっていました。ただここには、書斎机も置かれていて、机上のパソコンを使って息子が持ち帰り仕事をしていましたので、父子又は、パソコンはママも一緒に使うようだったので、親子兼用の遊び兼仕事の部屋のようです。

  で、そのLちゃんの、案内役を務めてくれたこと以外の賢さぶり(祖父バカの思い過ごし?)ですが、とにかく語彙が豊富です。私の妻にカーディガンを通した小さな腕を出して、「おばあちゃん、腕まくりをして」と、袖口を折るよう頼んだのに感心したのを皮切りに、大人と一緒の食事中での、幼児語ではない的確な日本語遣いに感心したものです。
  発達心理学の教科書によると、知能には、語彙の理解と表現などの言語能力や一般的知識を測定する「結晶性知能」と、迷路や積み木構成などで測定する「流動性知能」とがあるといいますが、Lちゃんは、結晶性知能の発達が順調であることをまず確認できた次第です。ママが言葉遣いも含め甘やかさずに育てていることと、保育室に通っていますが、おばあちゃんや大おばあちゃんに預かってもらう機会が多いことなどによるものと思われます。
  そして、さらに感心したのが、結晶性知能に比べ、大人よりも子どものほうが優れているといわれる流動性知能も相当に高いことです。息子が、「Lはこれが好きなんだよ」と、私の前でLちゃんにやらせたのがジグソーパズルです。何種類か持ってきて、「これもできるんだよ」と見せてくれたのが、完成図では電気機関車が線路の上に2台並んだ、A3版大くらいの大きさの絵を作るもの。100ピースほどもあって、私も一緒にやったのですが、私にはまったく、どれとどれをつなげばよいのか分かりません。各ピースの凸部と凹部が似ているようでいてどれもがすべて異なっており、完成図の各部分の絵や色を見ながら直感的に、つながるピースを見つけ出すことが必要です。
  私が1個も見つけ出さないでいる間に、Lちゃんはぐしゃぐしゃに混ぜ合わされたピースの間からつながるピースを次ぎ次ぎと選んでいき、20分ほどしたらすっかり完成させてしまいました。流動性知能は乳幼児期から青年期前までどんどん伸びてから、その後は下降を続け、老年期には以前の半分近くにまでなるということですが、厳粛なる今回の結果に、Lちゃんの発達を喜ぶ一方で、私自身の知的な衰えに本気でやや不安を覚えたことでした。
  なお、息子夫婦にLちゃんの賢い発達ぶりを褒めたところ、「でも、運動神経はあまりよくないんだよな・・」との言でしたが、そこのところは我が家のDNAかもしれません。過大な期待をかけず、子どものあるがままを素直に受け止めて、成長を静かに温かく見守っていくことが、特に祖父母世代には大切なことかもしれません。