学習机

 初孫Yちゃんがいよいよ小学生になります。あっという間にこんなに成長して・・・などと、平凡な言葉しか浮かびませんが、この前生まれたばかりだと思っていたのに、本当に早いものです。
  で、ピカピカの1年生になるYちゃんに入学祝いを贈りたくて、定番のランドセルか学習机(昔は「勉強机」と称してましたが、いつ頃からか「学習机」としか呼ばなくなったようです)をと張り切っていましたところ、娘曰くでは、「ランドセルは子供の通信教育の会社の通販で購入済み」とのこと。そして、学習机は妻が、「友人の娘さんが昔使っていたものを譲ってもらうことにした」とのこと。 

  ランドセルは新品だからともかく、机は、友人の娘さんといっても現在35歳位になる娘さんが小学校に上がったときに買ってもらったものですから、30年ほど昔の中古ということになります。そんな中古ではYちゃんに可哀想だと私は納得していなかったのですが、妻は、「現物を確かめたが、その当時、某有名デパートオリジナルとして売られていたもので、今どきの安っぽいものとは違う立派なもの。傷もなく、まだまだ使える。A子ちゃん(その娘さんの名前)が小学校入学から大学院を卒業するまでずっと使っていたもので、A子ちゃんはこれで勉強して1級建築士の資格を取ったんだから、縁起も良い」などと主張します。 
  娘夫婦もそれでよいと言うし、まあ、世間全体でリサイクルしていくことにも意味があるかと、私も渋々納得。ただ、おじいちゃんとして、この机のプレゼントになんとか一枚かみたいと思い、Yちゃんの家まで宅配便で送る話が進んでいたのを一蹴、私が車で譲ってくださる家まで行って載せて運ぶことにしました。
  昨日曜日、寒気まだ強くも快晴の中、そのお家に伺いましたが、話に聞いていたとおり、まだまだ使える立派な机。今どきの学習机は小ぶりなものが多いのですが、これは大人になっても十分に使える大きさで、しかも、全然傷もありませんし、シールを貼ったり剥がしたりした形跡もなくきれいです。机の上には本立てや蛍光灯も付いています。ただ、椅子は座面が少し汚れていて、これは張り替えが必要だと思いました。
  この机と椅子を車に載せるのが一苦労。後部座席を全部倒してフラットにし、車の背面ドアから入れるのですが、机、本立ては開口部のサイズぎりぎりで、慎重かつ強引にやらないとつかえて入りません。そして、机の間にうまく椅子を入れたり、最後に脇引き出しを入れたりと、入れる順番を間違えると全部が積めません。妻にも手伝わせて何度かやり直しをしながら、やっと積載ができたときのうれしかったこと。
  しかしこんな苦労も、Yちゃんの家に着いてYちゃんの顔を見たときからすぐに報われました。Yちゃんは、私が車で着くと大喜びで飛び出してきて、「どんな机?」と早速、車の外から中をのぞき込みます。そして、私とパパが車から順番に降ろしながら、部屋の外から直接「勉強部屋」(1階和室の子供部屋。おもちゃ箱を片付けて机を置くスペースを確保していた)に入れる際には、部屋の中にいて、重たい机などを一生懸命支えています。
  無事に据え付けが終わると、Yちゃんは自分から雑巾を持ってきて、おばあちゃんにも手伝ってもらいながら一緒に丁寧に拭き始めたのには驚きました。よく成長したものです。きれいになったところで、早速本立てに自分の本を並べていましたが、図鑑や子供用の辞書など、勉強に関したものばかりで、プリキュラなど、遊びの本は一切ありません。「これは”勉強机”だから、遊びのものは載せないんだよ」との私の一言は余計でした。
  この後Yちゃんは、机を譲ってくださったおばさんにママと一緒にお礼の電話を掛け、パパがお祝い兼おじいちゃん、おばあちゃんの机運び慰労?のために買ってきた美味しいケーキをみんなと食べて、とても満足の様子。この日が、Yちゃんの成長の大きな節目の日であったことは間違いなく、おじいちゃんにも感慨深いものがありました。