モバイルルーター

  先月下旬に、レインウエアを持たずにオートバイツーリングに行き、富士山麓で猛烈な雷雨に遭遇して全身ずぶ濡れになり、その結果、ウエストポーチに入れていた、5年来使い込んできた携帯電話が水没して使えなくなるという愚挙をやらかしてしまいました。
  携帯電話は必需品ですので、その翌日に早速、家電量販店内にあるドコモショップに相談に行ったところ、修理はきかないとのこと。仕方ないので、買い換えることにしたら、案の定というか、店員は、「この際、スマホに」としつこく迫ります。「いや私は通話とメールに使うだけだからガラケーでいい」と断っても、今の時代、スマホを使うのが当たり前というように、その便利さをあれこれ説明してきました。そこでやむなく、「スマホは私には画面が小さ過ぎて使えない。その代わりに私はiPadを持っている」と、カバンの中のiPadエアー(昨年10月にミニから普通サイズに買い換えました)をチラリと見せました。
  すると先方は切り替えが早いというか、「そのiPadはどこでもインターネットにつながりますか」と畳みかけてくるので、「自宅と職場でWifiでつないでいる。外では月380円のサービスに入っているだけ。電車の中などではつながらないが、それで十分」と答えたらさあ大変。 「移動中につながらないのは不便でしょう。ドコモの携帯電話をお持ちの方はドコモのモバイルルーターがお得になっていますので、この際ぜひ、モバイルルーターもお持ちになったらいかがでしょうか」と、実物を並べて、機能や料金の説明を始めてきました。
  そこはそれ、私も通勤電車の中でラジオを聞いたり、旅先でインターネットにつなげられたらいいなと思ったことが過去にありましたので、少し心が動きました。しかし、冷静になって思い出すと、ドコモではない他の会社のですが、以前にモバイルルーター導入の検討をして、「やはり止めておこう」と決断したのは、河口湖の小屋では電波が届かず、使えないのが分かったためです。テレビもないボロ小屋で、iPadがインターネットにつながるなら、いろんな情報を検索できたり、一人で夜中を過ごしても、映画の配信を観たりすることが出来ますが、その会社のサービスは、このエリアには対応していませんでした。人口カバー率90%超といっても、都会中心で、山間地はまだまだの感があります。
  で、私は店員に、その量販店内の同じフロアにあるその会社の窓口を指さしながら、「モバイルルーターについては以前にあの会社のを検討したことがあるけど、私が使いたい場所はサービスのエリア外だった。お宅のがもし、その場所でも使えるなら検討するけど・・・おそらく駄目だと思う」と言いましたところ、「ドコモが一番エリアは広いです。携帯電話は使えましたか?」と聞くので、「使えた。ワンセグでテレビも観た」と伝えたところ、「それなら大丈夫です」との自信を持った回答。念のためにと、エリア地図をパソコン画面に出して確認したら、完全にエリア内でした。
  というわけで、結局その日に新しい携帯電話と、モバイルルーターを手にして意気揚々と帰宅。モバイルルーターについては、妻に「また余計なものを買って」と嫌みを言われるかなと思っていましたところ、その便利さの説明を聞いて、積極的に賛同をしたような様子で、事なきを得ました。
  早速翌日から、通勤の歩行中はインターネットラジオを聞きながら。電車の中でも、新聞や本に飽きたら、ラジオを聞いたり、ヤフーのニュースを見たりと楽しみ、やはりとても便利でした。ついでにすぐの休日は、今度は車で河口湖の小屋まで行って、本当にインターネットにつながるかどうかの確認。バッチリでした。そして一昨日の日曜日は、名古屋に出張だったので超高速の新幹線の中でも使えるかどうかの検証。これもバッチリでした。
  便利にはなったけれど、四六時中、インターネットにつながって、情報過多になるのもイヤなもの。貴重な時間をどう自分らしく過ごすか。iPadとの付き合い方を再考しなければならないとも考える、複雑な心境でもあります。