続・初めての小説

  一昨日の土曜日、娘一家が我が家に泊まりがけで遊びに来て、Yちゃんと私が、お互いに初めて書いた「小説」を見せあいっこするというのが実現しました。Yちゃんのは、A4用紙を半分にしたサイズを右綴じにした縦書きで、ところどころにイラストが入っています。タイトルは、事前に聞いていたとおり、「ようせいの よる」。10頁といっても、どうせ大きな文字だからボリュームは少ないだろうと予想していたところ、意外にも、小さな文字でびっしりと書いてあり、読み応えがあります。
  文字が読みづらいので話の筋が詳しくはすぐに理解できないのですが、大筋は、月と星の妖精が人間世界に降りてきて、小学校に遊びに行ったりする話です。このあたり、時間を掛けてじっくり読み込んで行きたいと思います。娘は「話が勝手に転々するのよ」と言っていましたが、Yちゃんの頭の中では、小説のイメージがどんどん膨らんでいって、書くことがたくさんあったようです。
  一方、私のは、偶然にもYちゃんのと同じA4用紙を半分にしたサイズで全18頁です。Yちゃんがすべて手書きなのでそれに合わせようと、各頁の本文は手書き風のフォントを使ってパソコンで書いたものの、表紙のすべてと、各頁のイラストは手書きにしました。タイトルは「ひらりちゃんのぼうけん」。チョウチョの女の子「ひらりちゃん」と、その弟の「ゆったりくん」の2匹がお空の散歩に出て、蛾の「がんたさん」と出会って友だちに。ところが、3匹で楽しく話をしているところを、夏休みの宿題の昆虫採集をしていた人間の男の子に見つかり、逃げ遅れたゆったりくんが捕まりそうになったが、がんたさんが捨て身の攻撃で助けてくれたというお話です。
 蝶も蛾も同じ仲間、蛾をいじめてはいけない。人間も、いろんな違いはあってもみんな仲間、差別等があってはならないという趣旨も盛り込んでいます。
  ひらりちゃんとゆったりくんのキャラクターをYちゃんとKくんに似せ、ひらりちゃん家族の家は人間の小学生の女の子Y香ちゃん(Yちゃんとは一文字違う)の家の庭の木の葉っぱの裏という設定でそのイラストもYちゃんの家のそれに似せて描くなどの工夫もしていたところ、Yちゃんは大喜び。何より、おじいちゃんが約束を守って「小説」を書いていてくれたというのが評価されたようで、Yちゃんは私の手作りの本を寝るときは枕元にまで持って行き、朝は、また手に持って起きてくるほどでした。
  Yちゃんはパパとママにも私の本を見せましたが、娘の評価は、「いいけど、ちょっと説教調ね」といった程度。そして、少し困ることになったのは、Yちゃんが、自分もおじいちゃんのようにパソコンでお話を書きたいと言い出したので、私がワープロソフトの「ひらがな入力」をYちゃんに教えたところ、Yちゃんがすぐに習得して、「ようせいの よる」に続く第2作「はるなつあきふゆ」の作成をパソコンで始めたことです。キーボードで文字を拾いながら画面を凝視して行う作業が眼に悪いし、小学生の時からパソコンを使って文字を書くのが教育上良くないのではないかという、パパ、ママ、それに私の妻の心配により、Yちゃが朝から夢中になって6頁ほどを書いたところで、この作業は中止させることになりました。
  子どもがパソコンを使って書くことの是非は確かにありますが、Yちゃんの創作意欲だけはぜひ大切にしてあげたい。「赤毛のアン」のルーシー・モンゴメリー、「嵐が丘」のエミリー・ブロンテなど、ブロンテ姉妹、「風と共に去りぬ」のマーガレット・ミッチェル等々、世界的な大ベストセラーの小説の多くは女流作家の手になるものであり、Yちゃんがそうならないとも限らない(!?)。Yちゃん頑張れ!というのは、誇大妄想おじいちゃんの張り切りすぎですが・・・