2015GW

  今年のゴールデンウイークは、事前の天気予報が少し外れて、全期間、好天に恵まれ、個人的にも嬉しいことや楽しいことがたくさんありました。まず、河口湖の小屋で、娘一家と過ごせたこと。小学校2年生になったYちゃんがせがむので、本格的囲碁の片鱗を教えましたが、Yちゃんは石を囲って「当たり」をして、石を取ったり取られたりすることをしっかり覚えました。外でみんなでバトミントンをして、Yちゃんが大人相手に結構ラリーが続くようになったことも嬉しいことでした。また、河口湖の湖岸では、元野球少年のパパがYちゃんとKくんに軽く平たい石ころを回転を掛けながら湖面に投げて、水面を転々と跳ねさせる「水切り」遊びを指導。当たり前のことですがKくんは何回やってもボチャンと沈みましたが、Yちゃんは最後の方では転々と2、3回跳ねさせることが時々できるようになりました。

  4日に、ユネスコの諮問機関が日本の近代化を支えた8県11市の23施設を「明治日本の産業革命遺産」として世界遺産に登録するよう勧告した、というニュースを聞いたこともとても嬉しいことでした。この一つの「三池炭鉱」は、父の転勤で私が高校までを過ごした福岡県大牟田市にあり、数年前、同市を訪れた際、同市の経済団体の会長を務めていた旧友が、「中国人でも誰でもよいから、街を歩いてもらって賑わいを出したい」と、市の人口減、衰退ぶりを嘆いていたのを聞いていたからです。世界遺産登録で、観光客が増えればありがたいことです。旧炭鉱の坑道に入る体験もできるそうですから、私も行ってみたいと思いました。受刑者や韓国人の強制労働など、負の歴史も持っていますが、それらも含め、世界遺産として後世に語り継いでいく意義があると思います。
  そして連休最終日、一人で東名高速の中井パーキングエリアから本線に出るために車をゆっくり走らせていたときのことです。パーキングエリアの一番外れのゼブラゾーンに若者が二人、「東京」と「横浜」と大書した段ボール紙を持って車に向かってかざしていました。ヒマな私は、思わず引きずり込まれるように彼らの元に車を走らせ、「横浜までなら乗せてよいけど・・・」と言うと、「お願いします!」「良かった良かった!」と、大喜びの態。短い距離ですが、中井PAから海老名SAまで彼らを送ることになりました。
  後部座席に乗った二人は、「きれいな車ですね。新車ですか?」と先ずはお愛想を言ってから、「神戸から来ました」「昨日は静岡に泊まりました」などと、矢継ぎ早の報告。京都の大学生で、連休を利用して神戸〜東京間のヒッチハイクを決行中とのことでした。横浜にはまだ行ったことがないと言うので、我が家近くの駅まで乗せて行って横浜中心部の見物をさせてやろうかなとも思いましたが、車に乗せてもらうだけで、一切、鉄道には乗らないポリシーでやっているとのことに、当初の予定通り、海老名SAで降ろし、また次の車を探させることにしました。別れる前は、「一緒に写真を撮らせてください」との希望のため、車の前で3人で記念撮影。彼らの青春の記録の1頁に、私の姿も残るのかもしれません。
  近年、海外留学をする若者が少なくなった、若者の車離れが進んでいる、草食系の男子が増えているなどと、若者の元気の無さがよく指摘されます。私も、スマホばかりいじって無気力そうな若者ばかりが増えているような気がしていました。そこに今回のヒッチハイクの若者二人。ヒッチハイクは初めてだけど、日頃は自転車でのツーリングが趣味とのこと。日焼けした顔で、物怖じせず、明るく快活に話しかけてくる二人に、まだまだ日本も捨てたものではないと、本当に嬉しくなりました。後で気がついて感心したのは、二人は、私の車に乗り込んできてから、二人だけで内輪の話をすることは一切なく、最初から最後まで、私も交えての会話を続けたことです。乗せてくれた人を不安にさせないための、ヒッチハイカーのマナーなのかもしれません。
  帰宅して妻にこの日のことを話すと、妻も大喜び。私の行動を褒めてくれましたが、私がドライブの途中で妻への土産に買ってきたお菓子を「お腹が空いたときに食べなさいと、二人に差し入れしてくればよかったのに・・・」と、私の気のきかなさの指摘も受けました。