「電動自転車ツーリング」 ②準備編

  電動自転車でオートバイツーリングに近いことを始める前には、いくつかその準備作業が必要で、かつ、そうしたことをやっていることが楽しかったりします。私が行った主なことは次のとおりです。
(自転車保険) バイク店で納車の日、自転車保険への加入を強く勧められました。自転車が歩行者にぶつかっての死亡事故等が多発し、何千万円もの賠償が裁判所で言い渡されるケースも多いとか。安い掛け金で備えることが出来ますよということだったので、「ぜひ入りたい」と即答したのですが、その後、ヒヤッとさせられました。私の生年月日を聞いた店主が、「加入資格は70歳以内に限られているので、申し訳ありませんが加入できません」と言い出したのです。高齢者は事故率が高いので、保険の加入年齢に制約があるとのことです。
  エッと絶句するしかありませんでしたが、加入できないとなると、ますます事故を起こしそうな気がしてきます。他人にぶつかり、多額の賠償金を払わざるを得なくなったことを想定すると誠に暗澹たる気分になり、それが表情にも出ていたのでしょう。店主が店の奥で保険等、事務担当の女性店員と何やらしきりに話して、その店員がどこかに電話を掛け始めました。そしてしばらくした後、「奥様も乗られますよね。奥様の年齢だとまだ加入資格がありますので、奥様を加入者として夫婦型の契約をすれば大丈夫ですが・・・」とのこと。妻ももちろん乗ります。また、加入者の年齢が契約時に加入資格を満たしていれば、夫婦型契約の一方の配偶者の年齢は問わないし、いったん契約が成立すれば、以降、毎年の契約は、二人とも何歳になろうがそのまま継続できるとのこと。というわけで、妻には感謝、感謝の保険契約が無事に成立しました。
(盗難対策) 自転車の盗難は多いもの。我が家では、息子が小学校5、6年生の時に塾に自転車で行った帰りにどこかに寄って盗難に遭い、電話で連絡があったので、「交番に届けに行くから一度帰っておいで」と指示したら、「もう届けは済ませて、今、交番から電話をしているところ」とのこと。こういった方面は、とてもしっかりした子でした。
 もう一つ、盗難の思い出としては、私のBMWのオートバイを深夜に我が家の玄関先から盗まれたことがあります。車体には盗難防止のアラームを付けていたのですが、誤作動をするので切っていました。その他の対策は特にしていないという、不用心さでした。それ以来、我が家では門扉を毎晩施錠、玄関前の固定物とオートバイを極太のワイヤで繋ぐ、門から玄関前に防犯センサーライトとチャイムを付ける等の徹底的な対策を講じて、その後は被害に遭っていません。
 今回の電動自転車も要用心ですが、対策としてはまず、購入時に行う防犯登録のほか、購入時に付いてくるメーカーの3年間盗難補償があります。盗難に遭った場合、30%の自己負担で同機種を購入できるというもの。但し、3本あるキーを添えて申請しなくてはならないということなので、施錠している状態で盗まれたことが絶対的な条件になります。
次いで、盗られないための対策としては、我が家での保管については、前述の極太ワイヤをそのまま使っており、センサーライト等も今までどおりですので、まず問題ない状況です。ただ、出先での盗難対策としたら、車体に白ペンキで住所と名前を書いたので、多少の抑止力にはなるかという程度。ワイヤー錠も買いましたが、出先でつなげる固定物が都合よくあるかという問題があります。バイク店の店主が、「電動自転車はキーがなければ錠も開けられないし、電動アシストも使えないので、普通の自転車よりも盗難は少ない」と言っていたので、それを頼りにしています。
(ヘルメット、キャップ) 自転車のヘルメットと言えば、プラスチック製の流線型のものが圧倒的です。ただそれは、ロードバイクに乗るような人たちが被るもの。ママチャリに乗ってヘルメットを被っているのは幼児以外にはいませんが、オートバイツーリングの真似事をし、やや遠乗りをしたい私としては、万一のことを考えて何らか備えたいと考えました。
  そこで思い出したのが、一度観光地で見た、乗馬帽を被って自転車に乗っていた中年の男性です。茶系のジャケットと帽子がよく決まって格好よかった。しかし、インターネットで調べると、革製の自転車用ヘルメットというのも売っていました。どんなものがよいのか、もう少し実地でも調べることにして、ただ、当面外は寒いので、頭にすっぽり被る伸縮性のある布製のキャップだけを通販で購入しました。
サイクルコンピュータ) 私が買ったビビチャージという機種には、「エコナビ液晶スイッチ」というのが付いていて、バッテリーの残量や残り走行可能距離などは表示されるのですが、車やオートバイに付いているような距離計や速度計は付いていません。少なくともどのくらい走ったか、距離計がなければツーリングの楽しみが少ないと感じ、自転車も売っている家電量販店に行ったら、走行距離のほか様々なデータを取ることができ、自分で装着できる機器がサイクルコンピュータという名称で様々発売されていました。
  その中の一つを、店員の説明も聞かずに買ってきて装着しようとしたところで、トホホの事態となりました。ワイヤレスのを選んだのですが、箱を空け、時刻合わせ等、中の本体をいじくり廻したところでふと箱を見ると、「ご注意」として、小さい活字で、しかし一番上の段に、「電動自転車には使用できません」と書いてあります。本当にダメなのかと、インターネットで調べてみると、電動自転車に使っても「何ともなかった」という記事もありましたが、大半は「デタラメな数字が表示される」「バッテリーからのノイズが干渉して使い物にならない」等の指摘ばかりでした。今さら返品交換も出来ないので、これは誰かにプレゼントすることにし、数日後に有線の安いタイプを買ってきて装着しましたが、表示はバッチリです。
(サイクリング本) オートバイ道楽を始めた当時もそうでしたが、実際に乗るのと、雑誌や本で他人のツーレポを読むのを、どちらも楽しみにしていました。今回も、サイクリングを楽しんでいる人の書いた本(電子書籍)を探したところ、たくさん出てきました。ただ、電動自転車で楽しんでいる人の本は皆無であったので、とりあえず、2人乗り自転車で美しい自然の中をツーリングしているご夫婦や、自転車で都心に通勤しているTVディレクター、ロードバイク初心女性歓迎のサイクリングクラブ主宰者等の書いた本を、順次に読んでいるところです。
  皆さん本当に楽しそう。オートバイにしても、自転車にしても、私の道楽開始は常に人から1拍も2拍も遅れていますが、その分、少しでも長引かせられれば幸いです。
(その他) レインウエアやグローブなどは、オートバイ用に持っていたものが役に立ちそうです。