「電動自転車ツーリング」 ④指導者付き江ノ島周遊編

  「電動自転車を買ったので、あちこち遠出をしたいと思っている」と、元職場の後輩のA氏に話していたところ、先日、「境川のサイクリングロードを使って一緒に江ノ島まで走りませんか」とのお誘いがありました。A氏は昨年還暦を迎えましたが、ロードバイクが趣味で、ほぼ毎週末、1日で150kmから200kmもの輪行を楽しみ、北海道や四国などにも何度も足を伸ばしているマニアです。フルマラソンを3時間台で走る体力の持ち主でもあり、一緒に自転車で走るといっても、かなり迷惑を掛けそうな気がしました。しかし、サイクリングロードを走るというのは初めてだし、この機会にロードバイクについて勉強をしたいという気持ちも強かったので、「ぜひお願いしたい」と即答。先日、一緒に走ってきました。
  我が家から”ビビママ”で20分ほど走ったところにある私鉄の駅で、午後1時に待ち合わせ。A氏は午前中は八王子方面を走って来たと言いながら、特に疲れた風もなく到着しました。まず真っ先に私がやらせてもらったことは、A氏のロードバイクを持ち上げてみること。片手でひょいと持ち上がる、その軽さに驚嘆しました。ブリジストンのカーボン製で70万円もする高級品ですが、本体だけだと7kgしかないそうです。ついでにヘルメットを被らせてもらいましたが、これがまた軽い。オートバイのヘルメットのような重さや圧迫感もなく、快適です。180cm近い身長のA氏を乗せて滑るように走り出した細身のロードバイクの後を、私の鈍重な”ビビママ”が着いていくという、珍道中が始まりました。
 A氏のロードバイク  
  境川のサイクリングロードは幅員が広くて平坦。とても走りやすいのですが、A氏のスピードには着いていけず、A氏には、先に行っては時々止まって私を待ち、また先に行くということを繰り返してもらいました。ジョギングや自転車を楽しむ人たちとともに、カメラと三脚を担いで野鳥撮影を楽しんでいる人たちもいます。途中で境川遊水池公園の情報センターに寄って休憩しましたが、このセンターで昨年発行した図鑑「境川遊水池公園の野鳥」の写真は、私が以前入っていたデジタルカメラクラブの仲間が撮影したものです。水量豊かな川と川畔の緑、多くの種類の野鳥など、都会の別天地のような感じがしました。自動車やオートバイはサイクリングロードには入って来られないので、まさに自転車ならではの楽しみと言えます。
  サイクリングロードを出た後は、藤沢市街地に入り、車の脇をすり抜けながら片瀬江ノ島に到着。割と日差しが暖かかったとはいえ海の中は寒いだろうに、多くのサーファーが波乗りを楽しんでいました。記念撮影をしてから帰途へ。来た道を引き返すのも面白くないと、今度は、境川と2kmくらい離れて平行する引地川沿いのサイクリングロードを走って戻ることにしました。A氏は東京都民なのに、神奈川の地理もよく頭に入っています。しかも、自転車用のガーミンのナビを付けていて、道案内も完璧です。オートバイツーリング歴があるとはいえ、私は主要道路ばかりしか走っていなかったことがよく分かりました。
  引地川のサイクリングロードは、境川よりも緑が多く、快適さに歓声を上げていたのですが、しばらく走ると急に舗装をしていないダートの道になりました。おまけに、その道の大部分に前日の雨でできた水たまりがたくさん出来ていて、このぬかるみで転倒したらアウトだと思うと大いに緊張します。何とか転倒せずに走ってようやくまた舗装路へ。休憩にコンビニに寄って、小腹が減ったのでおじさん二人で熱いあんまんを食べたりしながら我が家のある区まで一気に走り、私は自宅へ。A氏は駅近くの銭湯に行きました。そして、風呂から出て自転車を折りたたみ輪行袋に入れ終わったA氏の電話を待ってから、また合流。二人で駅近くの寿司屋に行って打ち上げをしましたが、熱燗が進む毎に、私のロードバイクへの思いが強くなっていったのでした。(しかし多分、あこがれはあこがれにとどめ、ロードバイクを買うには至らないと思います。あと10歳若かったら別ですが・・・)