旧交① 「地域寄席」

  先々週の日曜日に、元職場の後輩が席亭を務める、千葉県内のある地域寄席に行って来ました。出演の噺家は、立川流唯一の女流の立川こはるさんと笑点司会の春風亭昇太の弟子の春風亭昇羊さん。2人とも二つ目の若手です。
  小柄でボーイッシュな容姿のこはるさん。国立大学の大学院中退ということですが、女は弟子にとらないという談志門下の談春師匠の弟子に潜り込み、今や独演会やTV出演など大活躍。昇羊さんは横浜出身でまだ27、8歳のスマートなイケメン。かなりのモテタイプですが、結婚したばかりということでした。
  一席ずつ交互に高座に上がりながら各2席を勤めてくれましたが、当意即妙なマクラから本題、落ちまで、落語の楽しさを存分に楽しませてくれました。35、6人で満員となるような狭い居酒屋の会場の良さですが、迫力があり過ぎて、私は座布団から笑い転げ落ちないようにするのがやっとでした。

  終わってからは、希望者だけによる、お二人を囲んでの飲み会。この日は14人が残りました。一人ずつまず自己紹介をし、あれこれ懇談をしましたが、私以外、やはり落語通が多く、古典落語の背景となっている江戸時代のことなども結構ご存じです。こはるさんと昇羊さんも時々解説してくれます。
  その時、まだまだ私は落語に対する熱心さが足りないと気がつかされたことがあります。みんなの話題に、「へっつい」という言葉が出てきたのですが、私は耳にしたことはあるものの、はて何のことだったかなという感じでした。要は七輪の親玉みたいなもので、農家の土間の大きな竈は据え付けですが、へっついは可動式のようです。「へっつい幽霊」という演目の落語を聴いたことがある人なら分かることでした。
  席亭の挨拶では、この地域寄席も16年目に入ったとのこと。年4回開催されて、今回が61回目の落語会でしたが、このほかに講談会もあります。私は、しばらくは皆勤で参加していたのですが、遠距離と勤務の都合等で近年は参加率が落ちていました。ヒマになったこれからは毎回参加を目指し、古典芸能そのものを楽しみたいと思います。本当は、噺家や講釈師の皆さんの滑舌や演じ方、頭の回転、知識等々、私に最も欠けているそれらの片鱗でも身に付けたいのですが・・・。この歳では無理ですが、認知症の予防にはなるような気もします。