卒業登山

娘から、Yちゃんの幼稚園の卒業登山の様子を聞きとりしてまとめた文章をメールで送ってきました。よく細部まで聞き取り、臨場感あふれる記録に仕立て上げたものです。妻と二人で読んで、Yちゃんの成長に感動したので、すべて匿名に直し、私のブログに勝手に転載することにしました。

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7月○○日
10時半 N駅集合
曇り 不安 先生8人(?)と14人の年長さんで出発!
エイエイオー!
Yは、R君と手をつなでいた。
中央線 高尾行き 終点まで乗った。乗り換え。車内でお弁当。E先生と、Kちゃんと。日野春駅下車 先に煙突の家に荷物を置きに行った。K先生がいた。
雨のなか、カッパを着て、オオムラサキ公園へ。
Kちゃんと手をつないで。
Yが最初にテレビゲームをシャカシャカやって、やり方がわかったので、やりたいと言ってきた子たちにその操作をしてあげた。
温室にチョウチョ。きれい。でも、一斉にチョウチョが飛んできたから、怖くて、Mくんのうしろに隠れた。
蛍のところに行った。暗い中で光っていた。剥製のオオカミがいた。怖くて、またMくんのうしろにくっついた。
歩いて煙突の家に戻った。
芳華居。
お風呂に入った。男の子が先に入った。O先生と、Kちゃんと女の子みんなで入った。幅が狭くて、深い、茶色の風呂釜だった。
夜ごはん。I先生が来た。きゅうりのサラダとカレー。Tちゃんの隣で食べた。
少し雨がやんだので、花火をした。二回持てた。きれいだった。
夜寝る前、トイレに行ったとき、先生たちが飲み会してた。
寝るとき、網戸を開けていたので、虫よけスプレーをしてもらった。そしたら、Hくんがゴホゴホして、吐いちゃった。Yもみんなもゴホゴホしていた。
Tちゃんの隣で寝た。歯磨きして、すぐに寝た。
寝るとき、年長女の子で毛布の取り合いになった。Mちゃんに「一人占めしないで。」って言われて、引っ張られたので、Yもあわてて引っ張り返した。
涼しくて、気持ちよく眠れた。

7月○△日(木)
 O先生がカーテン開けて、起こしてくれたら、すぐ目が覚めた。
 晴天!
 車で観音平(登山口)へ
 いざ、登山!
 Yは真ん中から後ろのほうを歩いた。Mちゃん、Tちゃんが近くにいた。
 けっこう楽だった。
 岩と木の根っこがいっぱいあった。
 最初に編笠山(標高2753.7)、次に西岳(標高2398)。
 編笠山の頂上は、岩がごつごついっぱい。空は白っぽくて、水色だった。雲には届かなかった。記念写真を撮るとき、岩の上に乗って、怖かった。お弁当(おにぎり二個)を食べた。R君の隣で食べた。寒かったので、カッパを着た。登るときは、暑かったけど。
 登るとき、Tちゃんだけ泣いた。ママに会いたくなって。Hくんは泣かなかった。
降りるのは、超ラクだった。後日、E先生に、「バランス良く上手に降りられましたよ。」と、褒めてもらった。
編笠山には、ツキノワグマがいるという事だったけれど、会わなかった。怖かったよう。
 最初の山に登った後に、みんな、「えー、また登るのー?」ってなっちゃったから、E先生が飴をくれた。Gくんの近くを歩いた。西岳はこわくなかった。トンボがパレードをやってくれて、楽しかった。トンボが並んで飛んでたんだけど、バラバラ。西岳の頂上では、みんなですわった。向こうの山を見て、先生が、「あれが明日登る山。」と教えてくれたから、みんなでワイワイした。その山は、Yには、傘に見えた。
 西岳を降りる途中、乙女の水を飲んだ。
 山と木でいっぱいのところに、石で造った水飲み場があって、ちょろちょろ湧水が流れていた。触ると、かっちんこっちんになっちゃいそうなほど冷たかった。O先生は、みんなのことを、「かっちんこっちんになっちゃえばいいじゃーん。」と言っていた。ペットボトルに入れた乙女の水を、顔にかけた。気持ちよかった。家族のためにペットボトルに入れて持って帰った。
 西岳の神様は女だから自分よりかわいい子がくると、私よりかわいい子は許せない、と言って、雨や雷を降らせるけれど、そういうことはなかったので、女神様よりかわいい子はいなかったらしい。
 青年小屋に着いた。
 ああ、やっとお山登んないでいいんだ、明日まで。
 辺りが白くかすんでいて、寒かった。
 アブがみんなでお出迎えしてくれたけど、アブのお出迎えはいらない(笑)。
 トイレに行って、着替えて、夕飯を食べた。
 Tさん特製ハンバーグ。お味噌汁と野菜。だいたい野菜が多い。おいしくて、全部食べた。
 夜ごはんの途中、うんち行きたくなったから、O先生とトイレに行った。
(トイレは、下が見えるボットン便所)
 青年小屋の主であるTさんは、料理がとっても上手で、翌朝にはシュウマイを作って、出してくれた。
 Tさんはすごい人。山で怪我をして人がいると、素早く飛んで行って、助けてくれる。
 Yは、O先生、R先生、Mちゃん、Mくん、Hくん、Rくんと一緒に食べた。
 食べているとき、Mくんが胸のあたりを指して、「苦しい。」と言い、吐いてしまった。
 Kちゃんが『雨にも負けず』の暗唱にチャレンジした。
 MちゃんとRくんの間で寝た。
 Rくんに毛布を引っ張られた。
 Mちゃんとこしょこしょ話をした。
 すぐにぐっすり寝た。

7月△△日
 5時半起床。
 先生に起こしてもらった。
 寒かったから、すぐにパーカーを着た。
 朝ご飯は、シュウマイ、野菜、お味噌汁。全部食べた。
 Tさんのテレビを見た。
 お笑い芸人の人(狩野 英孝?)が、病気で入院してて、退院してから、6月ぐらいにTさんと赤岳に登ったという内容のもの。『ラーメンいけめん、ぼくイケメン。』と、みんなで真似をした。
 テレビ見た後は、権現岳(標高2715)へ出発!
 エイエイ、オー!
 霧がかかっていた。岩とかがあって、危ないところがあって、先生の言う事を聞かないと落ちる!でも、Yは聞いた。Hくんが聞いてなくて、岩触っちゃだめって言われてるのに、触っていた。すると、H先生に、「触っちゃいけない!」と怒られた。
 先頭はCちゃん。Yは真ん中から後ろら辺を歩いた。Mちゃん、Kちゃんが近くにいた。
 先生が、こうやるんだよって、登り方を教えてくれた。だから、Yはその通りに登った。ちょっと難しいところでも一生懸命登ったら、楽しかった。岩登りは怖かった。
 権現岳を登っているときだけでなく、編笠山、西岳、寝ているときも、ママのことを思い出した。会いたいなって。でも、泣かなかった。
 権現岳の頂上には岩がいっぱいあった。一番高いところはとんがった岩だったので、座れなかった。私たちは雲の上まで来た。遠くの山々や町の景色が見えた。
みんなでやっほーってやった。やっほーって返ってきた。
他の人が登ってきたので、お願いして、写真を撮ってもらった。
山を降りた。森の中を歩いた。パーカーを着てて熱くなったけど、頑張って降りた。
 下山途中で、お昼を食べた。パーカーを脱ぎ、おにぎりを食べ、沢庵を落としてしまった。乙女の水を少し飲んだ。Mちゃんの隣。
岩がいっぱいあるところだけれど、頂上よりかは少なかった。O先生が虹が出ているよと教えてくれたので、みんなでぱっと振り向くと、町の上に中ぐらいの虹がかかっていた。「あ、虹だ。」嬉しかった。
食べ終わって、また歩き始めた。そうして、ひたすらてくてく歩いて、コンクリートへ。
「もうすぐコンクリートだよ。」って先生が教えてくれた。
 車で小渕沢駅へ。
 途中で道に迷ったけれど、なんとかたどり着くことができた。
 車内でYのチーム(Cちゃん、Aくん、E先生)は静かにしていた。Yは乗ってしばらくして寝た。起きてから、Cちゃんと「こんなオバケいたら、おもしろいね〜。」などと談笑した。
 そうして、Nの駅に着いた。
 解散場所で、まだ整列しているうちからYにまとわりつくKちゃん。解散すると、一目散に走り出すKちゃんとYを追いかけて、本屋さんへ。ごほうびにほっぺちゃんの雑誌を買ってあげた。
 帰宅後は、おしゃべりしながら、ほっぺちゃんを読みふけるY。乙女の水を三人で飲んだ。三人とも若返ったみたい♪終始、機嫌が良かった。
 ママに会ってすぐに話したのは、虹を見たこと。本当にうれしかったのだろう。それから、乙女の水を汲んできたこと。若返りの水だから、ママが喜ぶと思ったらしい。ママにたくさん飲ませて、Yと同い年にして、友達になりたいとも言っていた。
そして、Mくんのこと。心配したのだろう。
 翌日、朝食後、おもむろにビニール手袋をはめると、食器類を洗い始めるY。さらに、その次の日は、雑巾がけも!
「ママに会えて、本当によかった。」
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